​　もともと2016年に制作した立体作品だったが、完全な黒背景で映像として記録した本作に面白みを感じ、ビデオインスタレーションとして再制作し展示した。

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　もともとこの作品の主題であった「身体」ー身体の持ち主本人が感じる痛覚などの自身にしかわからない閉鎖的な感覚の共有について、テレビを箱に見立て密閉されていながら広がりのある空間に見せ、映像という入り込むような見え方のメディアで表現した。展示方法に黒背景で小さめながら重量感のあるテレビとその後ろに農業ポリエチレンへのプロジェクションという、背景が透け空間に広がる映像が同時に見えるようにした。

　映像は全く同じものではなく、遠近感が正反対になったりするように調整しており、テレビの中の空間のもっと小さい一部がプロジェクションの方に投影されたり、「二つの映像が交互に入れ子状になる」世界観で、身体の閉鎖的で内的な感覚が拡大され重要で重大に感じられるような感覚を表現することを試みている。